『宮廷画家ゴヤは見た』でゴヤと歴史をのぞく

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この映画のラストシーン、最高でした。
2010年に観た作品では一番好きです。

ゴヤの後ろ姿がいいんですよね。
そして、あの人が、あの人と手をつないで心から幸せそうにしているのが、泣けて……。
憐れとは言えない、それも愛なら。
なんだか先日観た「リゴレット」の娘のジルダの魂とリンクしてしまった。
純粋で、疑うことを知らない無垢な心。

それにしてもこんなに凄い上質な映画なのに、なぜほとんど宣伝もしていなくてひっそりと公開しているのだろうか。
大きなシネコンのスクリーンのほとんどは、塵ほども興味をそそられないものばかりだというのに。溜息。
結局感想を書く暇もなく、こちらもひっそりと上映が終了した『コッポラの胡蝶の夢』、あれも凄かった。
どうかしてるとぼやきつつ、いつの時代もきっとそんなものなのだろうなあとも、少々投げやりに思ったりするのでした。

まず、監督が『カッコーの巣の上で』『アマデウス』のミロス・フォアマンで、プロデューサーがやはり『アマデウス』、そしてなんと『指輪物語』(78年のアニメのほう。懐かしい~)のソウル・ゼインツ、とくればバリバリの芸術家肌といいますか、もう映像や衣装やら照明からセット、小道具とか、何から何まで完璧で言うことなしの上質さです。
まるで絵画の世界に入り込んだかのような映像美に、ただただ、ため息。

脚本も本当に素晴らしくて、実際のリアルで壮大に展開していく歴史の中で登場人物たちが生き生きと描かれ、私はすっかり物語の中に入ってしまって、酔いしれてましたね。それに泣ける。
あまりにも衝撃の展開!感動しました。
人間が、とても重厚というか重みのあるしっかりした描写で表現されていて、大変見ごたえがありました。
こういうタイプの作品は大好き!
なにもかもツボで、どうしようかと思うくらいでした。

私はゴヤ役のステラン・スカルスガルドが大好きなので、この映画を本当に楽しみにしていました。『パイレーツ・オブ・カリビアン』のビル・ターナーが良かったし、『キング・アーサー』の悪役も最高に良かったし、いつも何をやっても素晴らしい人です。
『マンマ・ミーア!』のステランさんもかなり良かったです。

また、ロレンソ神父役のハビエル・バルデムも、さらにさらに、ウナクス・ウガルデまでセットで登場してくれるのですから、それだけでありがた~い気持ちになります。
ウナクス君のコスチューム姿もとびきり美しくてうっとりでした。
出番は少なかったですが、『コレラの時代の愛』のあとに観ると、ハビエルさんとウナクス君が隣に座って食事してるなんて、かなりツボにきましたね~。

どんどん時代がすすんでいき、ついにナポレオン率いるフランス軍がやってきてそのあと英国軍が登場のシーンで、あの赤い制服に過剰反応してしまいました!来た~!って思わず言いたかった。
シャープがいないかとキョロキョロしちゃいますよ~(笑)。
にっこりほほ笑んだ隊長がショーン・ビーンに見えました。(錯覚)

ちなみに、こちらです。

とても面白いシリーズです。いきなりですみませんが、どさくさにおススメしちゃう(笑)
ショーン・ビーンが若くてカッコイイです。

ハビエルさんも、様々なお衣装で楽しませてくれます。
この、ロレンソという人は、悪人というよりは愚かな人物でした。

ハビエルさんが演じることで、ロレンソは単純ではなくてリアルで感情や思想までがそこにあるようで、素晴らしいですね。本当に歴史上の人物みたいでした。
彼は始め、ゴヤをやる予定だったそうで驚きました。
ロレンソがあまりにもよく似合っていて。

ナタリー・ポートマンの演技力には恐れ入りました!
天使のような心のイネス。はかなげでいて実は凄い生命力を持つ女性。
愛と母性を強力に感じさせられました。
監督が、彼女は3役だと語っていました。
正確には3役ではないのですが、本当に3つのパターンをよく演じきっていて、奥行きのある女優さんなのだなあとつくづく思いました。
衣装もすばらしく素敵でした~。細やかなディティールや生地の質感が気になってしかたがありませんでした。

こんな感じで……
綺麗ですね~~~。
色調やライティング、構図など、本当にお見事!!

しかし、最後のほうで絵画をスペインからフランスに持っていくのにどれにするか選んでるシーンが面白かった。
え、そんな適当な決め方で?!って驚きでした~(笑)

このショット、素敵です。
ゴヤは、46歳で聴力を失いますが、82歳まで長生きだったのですね。
監督がナタリー・ポートマンに似てる!と言った「ボルドーのミルク売り娘」は晩年の作品なのですね。
宮廷画家として成功する一方で、戦場や街の人々をリアルに描き、それはまるで、今だったら報道カメラマンのような人でした。

そうそう、『ムーンレイカー』や『ミュンヘン』でも有名なミシェル・ロンズデールが悪役(にしか見えません~笑)でいい味出していました。カッコいいです。

何度も観たいけど、結局1回しか劇場では観れませんでした。残念です。

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