ここんとこずっと、ダニエル・オートゥイユの出演作は、”相棒”ものが続いていますね。
『ぼくの大切なともだち』なんか、今回の画家のキャラクターにすごく似ていると思いました。
相手役の組み合わせ方もちょっと似ているかも。
それから、雰囲気はガラッとハードボイルドになるけど、『あるいは裏切りの犬』も2人の男の物語でした。
ずいぶん前になりますが『橋の上の娘』も相棒の話(相手は女性だけど)でしたね。
あの作品もとても好きでした。
しかしダニエルさんて、実は両親がオペラ歌手だそうで、歌もお上手そうです。
あまりにも『あるいは裏切りの犬』でハードボイルドなイメージが似合っていた人だったので、とてもそんな感じでなかったんです……意外でした(^^;)
今回の画家と庭師の相棒物語は、2人ともぴったりとそのキャラクターにはまっていまして、素晴らしく自然体の彼らの演技に、観ているこちらもなごむというよりは自然体になっていくような気がしました。
画家と庭師という、職業はまったく違う2人ですが、価値観のような、見ている方向が同じような、実はとても似たもの同士に思えました。
意外な展開もなく、どちらかといえば淡々と普通に物語は進行していきます。
そういうお話の進み方や雰囲気が、とても普遍的で大切なことを気づかせてくれるようでした。
「俺が好きなものを描いてくれ。名画でなくていい。明るい色がいいな」
という庭師のセリフが、画家の心に深く残り続けるのでした。
私の心にもやたら強く響きました……。
ハッとするわけでもなく、じわじわと心に沁み続けて、気がつくと自分の中に大きな変化をもたらすという、そんな映画で、そのことは、主人公である画家に表現されていました。
それにしても、画家の田舎の家が素敵でした~~~。
ダイニング・キッチンのインテリアがいい~!
贅沢でもなく、無駄がなくて、室内も、庭も、何においても適度で、本当にいい雰囲気。
そう、まさに家も自然体でしたね。
あと、カフェオレボウルがラーメンどんぶりのように大きいのに驚いた~
庭師の妻役を演じたヒアム・アッバスさん、目の輝きが素敵な人で、とても印象的でした。
なぜか「諸行無常」という言葉が思い浮かぶような、フランスという遠く離れた国の人たちの中にもあるどこか東洋的な考え方、生き方に共通するものを感じ取りました。
フランスの田舎の雰囲気が、夏の終わりにぴったりでした。
ジャン・ベッケル監督は「ピエロの赤い鼻」を以前友人にDVDを貸してもらって観たのですが、大変素晴らしい作品です。
感動しました!おススメです。