アカデミー脚本賞を受賞しましたが、例によって本人は会場にいらっしゃらなかったウディ・アレン。
ノスタルジックな雰囲気が楽しい作品でした。
オーウェン・ウィルソンがマジメ……というか偏屈っていうのかしら?な役だった。
服装が監督そっくりでした。メガネをかけたらご本人?と思うくらい。
ややゆったりめなチノパンに、四角いバックルのベルト、チェックのシャツ。
監督自身の投影の部分もあるのかなと思いました。
フィッツジェラルドには『マイティ・ソー』の弟ロキ役で有名なトム・ヒドルストン。
キャシー・ベイツ、マイケル・シーンなど、次々と登場する名優たちにワクワクしました。
え、この人があの人なの?ってな感じです。
アンティークショップの店員ガブリエルはレア・セドゥ。
あの時は超クールな暗殺者でしたけど、今回は優しい笑顔の、古き良きものを愛する癒し系。
ポール役のマイケル・シーン、本当に彼は化けるのが上手すぎて、驚かされます。
芸術家たちのミューズ、アドリアナ役のマリオン・コティヤール。
彼女は彼らを導く天使のような存在に思えました。
サルバドール・ダリに扮するエイドリアン・ブロディ!
大爆笑でした。変すぎ!!
まさに、ダリでした。
アーネスト・ヘミングウェイは『LAW&ORDER:LA』などのコリー・ストールが演じていました。
『LAW&ORDER:LA』は大好きで観ていたのですが、彼はいつもスキンヘッドだったので、すぐに同一人物と気づかず。
ヘミングウェイさんはとにかくもう熱すぎっていうか暴走しすぎっていうか。なのにやたら説得力があるところが強力なカリスマ。神です。
私も尊敬するヘミングウェイさんに会ってみたいです!!!
ロートレックやゴーギャン、ピカソ、マン・レイ、コール・ポーター……
黄金時代に憧れるのはいつの時代も同じで、でも結局は現在をどう生きるか、なのですね。
そういえば、月に行って帰還した宇宙飛行士が
「皆、文句を言い過ぎている。地球は完璧で素晴らしいのに。」
というようなことを言っていたのを思い出しました。
今、ここに存在している。
そのことが素晴らしく完璧なのだと。
受け入れることの大切さ。
そんなことを考えながら観ていました。
脚本上手だなあ~と思いました。
音楽の使い方も、いつものことながら趣味が良いですね。
レイチェル・マクアダムスの演じるイネズのファッションセンスが、なんとなく気になったというか気に障ったと言うか?
それで……
私「あのファッション、なんか変だよね?」
娘「そお?キャラに合ってるんじゃない?」
私「ああ。ペラッとした感じで?」
娘「そうそう。」
私「あーなるほどね。そうか。」
共感できなかったのはイネズだったのでした。
けど、主人公のギルや、ぶっ飛んだ芸術家たちにはとても共感するものがあって、なごみました。